しかしながら、愛媛県には「あの古来より日本一の滝とされてきた落差133mの那智の滝」と匹敵する『落差132mの高瀑』という滝がある。
ところが源流部の程近くにあるこの「高瀑」は水量に著しく難があり、水が一滴も流れていないことも珍しくなく『高瀑やぁ〜水がなければただの崖』という句まである。
この句は『高瀑が常時水量に恵まれていたならば、四国にはロクな滝がないとは決して言わせやしないのに』という四国の滝マニアの口惜しさがよくわかる悲しい悲しい悲しい句である。
ちなみに私は福井県で棚田巡りをしていた時に台風に遭遇し、それ以上棚田巡りをするのを断念し、代わりに翌日の台風一過を狙って真夜中に台風の猛烈な雨と風の中を福井県から愛媛県へと600キロ近くの大移動をして見事に水量バッチリの高瀑との対面を果たすという滝マニアには堪らない最高の瞬間を体験をしたことがある。(おそらくあの水量バッチリの状態を体験した滝マニアは数えるほどしかいないはず)
確かにもし高瀑に常時あの水量があったなら日本屈指の名瀑であるとすることに何の疑いの余地もないほどである。落差も132mとされているが、それは那智の滝を憚ってのことであり、本当は那智の滝よりも高瀑の落差の方が高いと思う。
さて、前振りが長くなったが、常時水量に難があるがゆえに高瀑は冬には完全氷結して『氷瀑』となることでも有名である。
私はこれまで水の流れがなくなる氷瀑は芸術作品だとは思うものの『滝とは別のもの』と思って興味も関心もなかったのだが、某滝仲間から『高瀑の氷瀑を観に行かないか?』とのお誘いがあり…。
が、夏場でも源流部近くにある高瀑に行くのはかなりしんどかったのに真冬に高瀑に行くなんて自分的にはあり得ない。夏場に比べるとリスクも格段に高い。
『遭難=死』だろうし。
悩むぜ…。